江戸堀印刷所

Blog

台南の活版印刷博物館「糖福印刷創意館」

年末年始のお休みに、台湾に行ってきました。
台湾が好きでチャンスがあればよく遊びに行くのですが、
今回は前から気になっていた、台南に2016年にオープンした活版印刷博物館まで足を運んでみました。

この「糖福印刷創意館」は、台南市街から特急電車で20~30分の新営という街にあります。
のんびり電車で郊外に足を伸ばすにはちょうどいい距離でした。

かつて台湾で盛んだった製糖産業。
その一大企業である「台糖」専用の活版印刷工場がここにありました。
2011年まで稼働していたこの印刷所をそのままリニューアルしているので、使われていた版が専門すぎて面白く、活字の量にも圧倒されました。

なんと7万個の活字母型があるとのこと!
鋳造機は日本製と台湾製が展示されていたのですが、説明してくれたスタッフの方曰く、日本製の方がgoodとのことでした。

日本では正月休みの1月3日は、台湾では普通の平日(旧正月がメイン)のため、見学者は私たちだけの貸切状態。この日の担当スタッフの方は、 英語も日本語もできないので、、とiphoneの翻訳で一生懸命説明してくださり、近所の美味しいお店も教えてもらい和やかな時間を過ごせました。
残念ながら教えてもらったお店はお休みだったので、通りがかりのお店で乾麺と小籠包を。どこで食べてもほとんどハズレがない台湾は、お腹も心も満たされます◎

オンデマンド白インク+空押しに挑戦

今回は、オンデマンドの白インクで印刷したDMのご紹介です。
アパレルブランドのDMを白文字の活版印刷にしたいというご相談だったのですが、通常の白インク(活版・オフセット)ではインクの特性上、どうしても透けてしまいパッキリとした白にならないので、それは避けたいとのことでした。
その透け感を回避する方法としては、2回刷りをする、シルク印刷や白箔押しにする、等がありますが、どれもコストアップとなりそこがネックでした。

そこで、オンデマンド印刷の白インクをご提案。凹みもほしいとのことだったので、その上から空押しをする方法を試してみました。
今年から弊社に導入された新しいオンデマンド機では、白インクが対応できるようになりました。
機械メーカーいわく「オフの白を6回通した位」の濃度で、シルク的な印象に仕上がります。少部数の場合はコスト的にオンデマンドをおすすめします。

印刷した上から活版印刷で空押しをする際、多少のズレが発生するので、オンデマンドデータのほうを少し太らす等の工夫が必要でしたが、なんとか納得していただける仕上がりになりました。

こちらは納品後に、お客さまのほうで切り込みを入れ、写真の挟み込み作業をされました。おつかれさまでした。その完成形のDMもいただけましたので、仕上がりをご覧ください!



===========================
大阪を拠点にしたファッションブランド
wonderlandの2016AW展示会DM
===========================
▼展示会情報
http://notwonderstore.blogspot.jp/2016/03/wonderland-2016-autumnwinter-exhibition.html

■Osaka
4/12(TUE) 11:00-19:00
4/13(WED) 11:00-19:00(19:00〜22:00は、for Friends and customer)
not wonder store
〒531-0072
大阪市北区豊崎1-4-5-101

URL
http://www.awonderfulwonderland.com

art direction:Tomoya Matsumura / Miyuki Matsunaga
photographer:Takuya Otaki
hair/make:Daisuke Nishioka(IRO)
model:David Priest / Ashlyn Moehle

※クレジットは、挟み込まれている写真の分も含めてです。

スノーブル-FSのご紹介

用紙メーカーのTAKEOから2015年9月末に新発売された「スノーブル-FS」で、活版印刷見本を印刷させていただきました。TAKEOさんサイトに掲載されている通りですが、「雪のように白く、ふわっとした手触り」で、クッション紙のような風合いがあります。

そのため活版印刷にはとても相性がよく、印圧具合もいい感じに仕上がりました。
白色度が高く表面は微塗工されているので、ラフな中にも上品さが備わっている印象を受けます。
L判158.5kg(約0.25mm厚)〜616kg(約1mm厚)まで7種のラインナップが揃っているのもうれしいですね。同じ紙種でいろんな印刷物の展開ができそうです。また、比較的高価なコットン紙の風合いがほしいけれど価格を抑えたい、という時にもおすすめです。

余談ですが、紙の銘柄の最後に「-FS」とよく付いているのは何の意味かご存知ですか?
環境に配慮された「森林認証紙」であることを表しています。わかりやすくていいですね。ぜひ紙を選ぶ時の参考にしてください。

*****
活版印刷見本をご希望の方は、お送りいたしますので江戸堀印刷所までメールにてご連絡ください。
印圧は「強め」と「弱め」の2種類ありますので、ご希望があればお知らせください。もちろん両方でもOKです!

 

■スノーブル-FS
http://www.takeo.co.jp/finder/search/details.php?d_id=715
雪のように白く、ふわっとした手触りのパッケージ用紙です。スムースな肌合いに、印刷適性を備えています。7種類の厚さを取り揃え、幅広くご愛用いただける汎用性の高さが魅力です。

軽オフセット印刷の使い方(2)

今回は先日からの続きで、「軽オフセット印刷」おもしろ表現方法を具体的にご紹介していきます!
軽オフセットの低線数を逆手にとった網点表現です。

印刷物は超拡大すると網点で出来ています。カラー表現するための4色(CMYK)を掛け合わせる場合、それぞれの網点が重ならないように、実は網点の角度が少しずつ変えられています。

軽オフセットは2色までしか同時印刷できないので、今回は2色サンプルになりますが、これでも角度が変わっているのがわかると思います。網点の角度を変えることでも見え方が変わってくるので、幾通りもの表現ができてしまいます。

そして、網点形状は丸い形のドットだけと思いきや、スクエア、菱形、楕円、六角形、ライン等を選ぶことができます!版の出力機に備わっているこの機能、何に使うのかわからないのが正直なところですが(笑)、どんなものに仕上がるのか実験してみました。

◎お花→ピンク×オレンジ(30線)/楕円タイプ
◎カメラ→オレンジ(30線)×緑(5線)/菱形タイプ
◎キリン→グレー×黄色(15線)/ラインタイプ
◎靴→黄緑×青緑(10線)/スクエアタイプ

軽オフセット印刷機に通る特薄と最厚の紙でサンプルをつくりました。
この印刷サンプルがほしいという方は、江戸堀印刷所までメールをお送りください。
参考までに、特薄は約0.06mm(上質紙 四六判45kg位)、最厚は約0.4mm(紙の種類にもよりますが270kg位)の厚みまで可能です。

次回は、いろんな網点形状で出力した実際のピンクマスター紙版をお見せいたします。

蛍光インキもOKです

今日は毎年恒例の御霊神社の夏祭りで、江戸堀界隈でも行列が練り歩いていました。
お世話になっている電気屋さん、お昼に行く定食屋のご主人もいつもと違う祭りスタイルでキマっていました。
台風11号接近中で雨が心配でしたが、14時の時点では大丈夫でした。子供たちの元気なかけ声に癒されました。
大阪は今夜が山場かな。。。

さて、先週は黄色の蛍光インキを使って活版印刷しました。
印刷機のローラーが黄色に染まるのがかわいいです。

蛍光インキは、T&K TOKAさんの「TOKA FLASH VIVA DXシリーズ」より5色を在庫しています。(180 キューピッドピンク、350 プルートレッド、500 ヴェスタオレンジ、610 サターンイエロー、650 オーロラグリーン)
今回はサターンイエローを使用しました。

従来の蛍光インキと比べると、T&K TOKAさんの蛍光色はとても発色が鮮やかでおすすめです。
http://www.tk-toka.co.jp/product/ink/offset/detail/flash-vivadx.html

これまでに蛍光ピンクで名刺を印刷された方もおられます。
質感のある和風な紙に印刷してもPOPな印象になるので、色のイメージだけで変化を楽しめます。
版はそのままで、増刷の時に色替えをするというのもいいですね。

ちなみに今回の蛍光黄色&シアンで仕上げたのは、A5サイズのフライヤーで
神戸・北野クラブ solaさんのイベントご案内になっています。

用紙は、鮮やかな色が映える白色度を持つ[気包紙U ディープラフ]を使用しています。

インキ色と用紙の意外な取り合わせも楽しいので、ぜひお試しください!
もちろんご相談もお受けします。

軽オフセット印刷の使い方(1)

「軽オフ」でいきましょう。
社内では普通にこんな用語を使いますが、カラーオフセットが主流になっている今、あまり耳にしない方もいるかもしれないですね。
何回かに分けて「軽オフセット印刷」のおもしろさをお伝えしていこうと思います。

別名では「ピンクマスター」ともいわれるこの印刷方法。
通常のオフセット印刷と原理は同じなのですが、アルミ版ではなく紙製の版を使用してる違いがあります。その版の色がピンクっぽい色をしていることから「ピンクマスター」ともいわれています。
(写真はピンクマスターの紙版です)

紙製なので、2,000枚を超えると版が伸びてきて見当が合わなくなるというデメリットもあるのですが、なんせ版代が安いので、もう一版つくってしまうことで乗り切れます。
通常のオフセット印刷の網点標準が175線以上なのに対し、最高150線までしか表現できないので(数値が低いほど網点が大きくなる)、精度を求める印刷物には向いていませんが、逆にこの特性を活かして、おもしろ印刷物ができるのでは・・・といろいろ実験をしてみました。

あえて写真の網点を粗くし、ザラッとした懐かしい表現ができるのが楽しいのです。
Photoshopでもそのような加工はできるのですが、そんなややこしいことは必要ありません。弊社では、通常の写真データでそのまま入稿していただくと、刷版時に数値設定をするだけで、簡単にご希望の網点表現ができてしまいます。

網点は丸いドット形状が一般的ですが、それだけではないのです。
次回は、サンプルをお見せしながら網点の形状についてお伝えしていこうと思います!

オフセット印刷の印刷サンプルを作りました。

印刷は活版のみですか?とよく聞かれますが、
活版印刷以外にも、オフセット印刷やオンデマンド印刷、
そのほか製本や加工も承っています。

そこで、今回はオフセット印刷の色見本サンプルを作ってみました。
CMYとKの代わりにDIC435(紺)、さらに金と銀を加えた、6色の色見本です。

ちょっと不思議なお魚です

用紙によってインキの発色が異なるので、
色上質など色紙や質感のある紙、光沢のある紙など全部で32種類の紙に
同じ柄を印刷しました。

紙は全部で32種類

モコ(ナチュラル)の表面

———————————————————————————————-
▼用紙の種類(全32種類)
・色上質/特厚口(レモン、銀鼠、アイボリー、ラベンダー、若草、あじさい、水)
・新バフン紙/四六判180kg(しらかべ、きぬ、ゆげ)
・新草木染め/厚口(アイボリー)
・メガ/四六判180kg(ライム、メレンゲ、スプーン)
・モコ/四六判180kg(ナチュラル、アイボリー)
・OKフェザーワルツ/四六判170kg(ゆき)
・パルパー/四六判170kg(ホワイト、ナチュラル)
・ファーストヴィンテージ/四六判135kg(カシミヤ、オーク、シルバー)
・ミラーコートプラチナ/四六判135kg
・エスプリグレイス/四六判180kg
・アラベール/四六判130kg(スノーホワイト)
・マシュマロCoC/四六判135kg
・タント/四六判130kg(N-8、Y-6、S-7)
・タントセレクト TS−6/四六判130kg(N-7)
・上質紙/四六判135kg
・地券紙/L判10kg
———————————————————————————————-

さらに、白オペークインキを2種類のパターンで印刷しました。
ひとつは、インキ部分にオペークインキを印刷したもの。もうひとつは、オペークインキのある部分とない部分で、発色の違いがわかるようにしたものです。

白オペークインキの印刷位置見本
上:インキ部分のみ 下:インキ部分の下半分のみ
※実際のオペークインキの色ではありません。
白オペークインキある部分とない部分の境目がわかります
(用紙:ファーストヴィンテージ オーク)

こちらの色見本サンプルを、欲しい方にはお渡しいたします。(数量限定です!)
ご希望のかたは、欲しいサンプル用紙(種類と色)と白オペーク見本のどちらか(インキ部分のみかインキ部分の半分)を選んでください。
お渡し方法は、直接、お店に来ていただくか、郵送でお送りします。

お問い合わせはこちらまで
TEL:06-4803-8106
E-Mail:ep2011@edobori-printing.jp

※なくなり次第終了です。(用紙の種類はお1人様10枚まで。)

次は、蛍光インキでのサンプルを作る予定です。
できたら、またこのブログでお知らせいたします!

印刷協力:あさひ高速印刷株式会社

(ugajin)