江戸堀印刷所

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デザインあ展 in SHIGA

あけましておめでとうございます。
2020年もどうぞよろしくお願いいたします。

今回のお正月休みは、滋賀の佐川美術館で開催している「デザインあ展」に行ってきました。
Eテレ子供向けのデザイン教育番組ですが、大人だって面白いんです!
実は一昨年に東京まで観に行ったのですが、せっかく関西に来てくれたのでリピートしないわけにはいきません。

世帯数の多さによって表示される名前の大きさが変わる展示、街の看板に使われているレタリング書体に合わせて作られた「あ」、離れて見るとわからないのに近づいてよーく見ると写真にちっこい文字が・・・文字のデザインだけでもこんなに遊んでいます。
自分がお弁当の梅干しになれる体験も!(これは大行列)

東京では入るまでにも長時間かかって大変でしたが、滋賀はその点ストレスフリーでした。佐川美術館も都会にはない自然と調和した佇まいが心地よくおすすめです。


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デザインあ展 in SHIGA
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会期: 20191214日~2020211
会場:佐川美術館
住所:滋賀県守山市水保町北川2891
電話:077-585-7800
開館時間:9:3017:00
休館日:月(2020113日、210日は開館)、1231日、202011日、114
観覧料:一般 1000 / 大学・高校生 600 / 中学生以下無料 要保護者同伴
アクセス:JR堅田駅よりバス「佐川美術館」下車

http://www.sagawa-artmuseum.or.jp
https://www.design-ah-exhibition.jp

ピンマーク&お盆休みのお知らせ

7月に世界文化遺産に登録されることが決まった大阪・堺市の「百舌鳥・古市古墳群」ですが、
タイムリーなことに、たまたま活字の中から初号サイズのでっかい「堺」を発見しました。

その活字の側面には「森川龍文堂製」 の文字が刻まれていました。
これは鋳造会社のマークで、ピンマークと呼ばれます。
調べると「森川龍文堂」は、明治35年に創業された大阪の活字メーカーで、言わずと知れたモリサワのリュウミンと関係があるとのこと。
モリサワの創業者、森澤信夫氏が「森川龍文堂」の書体「新體明朝」の見本帳を譲り受け、それを元に開発された新書体の名称が、「龍」文堂の「明」朝体ということでリュウミン。納得。
書体の誕生を紐解いていくのもおもしろいです。
詳しくはモリサワのサイトへどうぞ→

他にもいくつかピンマークを見つけましたが、あるものとないものがあります。
活字ひとつでも歴史を感じ、今につながっていることが嬉しくなりました。

*活字は展示だけで使っていないですが、気になる方はぜひ見に来てください。

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▼お盆休みのお知らせ

8月10日(土)〜18日(日)まで休業させていただいております。

なお、お休み期間中にいただきましたお問い合わせにつきましては、
8月19日(月)以降にお返事させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

 

活字棚から・・・

先日の地震で、活字がえらいことになってました!
もしかして、、と思っていたらやっぱり。
江戸堀では、活字は使わずほぼ展示物状態となっているので諦めがつくのですが、
実際に活字を使って仕事をしておられる会社は、本当に大変なことだと思います。
大切な宝なので、めげずにがんばってほしいです。

今日数人に手伝ってもらい、応急処置的な片付けは完了しました。
活版印刷屋が地震で廃業してしまうと話には聞いていましたが、身をもって実感しました。

【電通報】に掲載されました

電通・アートディレクター河野さんとご縁があり、電通さんの企画にご協力させていただきました。
企画内容は、「伝統工芸×デザイン」をテーマに日本のものづくりと電通のアートディレクターがコラボレーションして作品を制作し、新たな価値を世界発信するプロジェクト「Good JAPAN Innovation」。
青森県の鶴凧と活版印刷をコラボさせるという、河野さんの斬新なアイデアに賛同し、こちらも何ができるかをご提案しながら進めていきました。
仕事としては現在使っていない活字を活用し、印刷に使用した紙は、アルミ版(平版印刷用のPS版)の間に保護するために挟まれている薄紙(普段は廃棄しています)を使ってもらいました。

どんな風に完成するのか想像もつかなかったのですが、河野さんに完成した鶴凧の写真を見せていただいた時には、あまりの美しい仕上がりに心躍りました。今回協力させていただいたことで、活版印刷という技法を受け継ぎ多くの人に伝えていく任務を担っているのだなと再認識し、私たちもいろんな面で勉強になりました。

気になる記事の内容は【電通報】をご覧ください!

▼ウェブ電通報トップ
http://dentsu-ho.com

▼記事ページ
http://dentsu-ho.com/articles/3836

 

日星鑄字行

台湾の活版印刷事情についてちょっとお話します。

10年程前から個人的に台湾にはまってしまい、
事あるごとに遊びに行ってます。
今回はこの年末年始に行ってきたのですが、
前から気になっていた台北にある「日星鑄字行」という活字鋳造所を
を訪ねてきました。
今でも現役で、台湾特有の繁体字活字をつくっておられる
貴重なところです。

台湾でも活版印刷を残していこうという活動があり、
この日星鑄字行さんを本拠地とした「台湾活版印刷文化保存協会」という
民間団体があります。

台北駅から歩いて行ける都会の裏通りにひっそりとあり、
一歩足を踏み入れると、奥までびっしりと活字ワールド。
オーナーの張さん(男性)はとても優しそうな方で、
私も日本の大阪で活版印刷をやっているということを
筆談でお話させていただきました。

記念に「江戸堀印刷所」という2号活字を購入してきました。
中国語ならではの「喜」の漢字が二つ並んで一字になった
ダブルハッピーの漢字もかわいくデザインされたものが
たくさんあって、見ているだけで楽しかったです。

この協会で最近出版された、台湾活版印刷の本「昔字・惜字・習字」が
これまた装幀も中の印刷(半分は活字で組版した活版印刷)も
すごくかっこよくて、迷わず320元で購入してきました。
江戸堀印刷所に置いてあるので、
ご覧になられたい方は、ご来店の際ぜひお声がけください。